ネタバレ映画感想 パラサイト半地下の家族
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原題 Parasite
監督 ポン・ジュノ
去年から公開楽しみにしてた作品がついに公開ということでいって参りました。
都会の方ではちょっと前に公開してたみたいでうらやましい限りです…
いや~新年一発目でこんなに面白い作品が観れて大変嬉しいです!
とても満足。
ひとつの作品の中に前半と後半でジャンルが変わってしまうくらいの変化があり且つ世の中を反映したような映画になっていてとても楽しかったです。
前半パートは始まりから少しの間は主人公家族の正に半地下の生活が描かれていくわけですがその困窮ぶりをみせられているので後の行動に対して少し寛容な気持ちで観れました…
周囲のWi-Fiをもとに携帯を使い、消毒ガスをわざわざ家に引き入れて便所コオロギたちを駆除しようとしたり彼らの言動等からこの一家をよく知れて楽しい描写がたくさんでしたね~
話が進んでくると長男がお金持ちの家に家庭教師をしに行きますね。
家庭教師先のお宅に進む時には十分に描写された主人公らの狭い家を狭い通路を使って外にでるそして広い通路を上がってさらに階段を上がって家に着くと目一杯に降り注ぐ太陽、2つの家庭の住む世界の違いを丁寧に描写してくれてなんだか家に入る前から金持ちであることを納得してしまいます。
真面目に家庭教師をすると思いきや!
次から次に嘘をつき家族全員を雇ってもらおうとするわけですが、ここからさながらケイパーもののように華麗な計画が遂行されます。
このへんの楽しさは言わずもがなですね~ちょっと無理があるような計画も最早笑いどころとして観れる勢いのよさ!楽しいですね。
見事全員仕事をもらってよかった~と油断しているとそう簡単には行きません…
前家政婦の「忘れ物」を追って隠し扉の地下に降りるとまさかの先輩的パラサイトが!!
この場面はとんでもない扉を開けてしまったんじゃないかとかこれから何が起こるんだとめっちゃテンション上がりました!
こういう話がひっくり返ってしまうような展開ってとっても楽しいですよね~
このパラサイト夫婦のことを隠す隠さないが大きな分岐点になりましたね。
冒頭から続くどこか品の無さがうかがえるキム家族が共生を選ばないのは納得できますがここで事実を隠し共生していく道を選んだらどうなるのか観てみたい惜しさがありましたね~
そして大雨の中命からがら豪邸を脱出し自宅に帰ると大雨で半地下の家は大惨事、それぞれが物を持ち出しますがあまり持ってく物が無いことも悲しく見えます…
いよいよラスト悲劇の誕生日会。
ここにいたるまでの細か描いて映画内で貯めてきたものが大爆発したような展開!
殺人の決意をする長男に散々陰口を聞かされたりいろんな出来事にどこかうつろな父親、地下の男もモールス信号のために打ち付けた頭が血だらけで明らかにやばいこと起こります状態!!
全員の行動や配置がかみ合い凄惨な現場になりますがここが一番の山場になりますね。
刺された娘には誰一人助けの手を差し伸べてはくれない、自分たち家族や地下男のことより車のカギが優先だという現実…そして社長が見せた地下男に対してのリアクション。
臭くとても近くには居たく無いと言わんばかりの顔、その地下男は自分と同じ存在だと思い知らされるのです…
とてもただ悲しいの一言で表せるようなものではない場面にちょっと泣けてしまいましたね。
父親の感情が爆発?それとも完全に堕ちたともいえる状態で父親は社長を刺してしまいましたね。
最後には息子が父親との再開のために金を稼ぐんだと誓う様子が見て取れますがなんともその願いは叶わない気がしてなりませんでした。
といった感じでしたがいいところいっぱいでしたね。
長男や父親とかが昔スカウトやってたとかダソンは昔幽霊でぶっ倒れたことあるとか匂いについてしっかり序盤から前フリを始めていたりいろんな描写が丁寧かつ伏線になっていて展開を納得しやすくうまいと思いました。
音についても好転しそうな場面でありながら音楽は不穏な物であったりうまいことこちらの感情をコントロールできるようになっていたと思います。
貧困層をわかりやすく地下の人間としそれに対していかに周りの人間や政府は無関心であるかとか韓国の状態は知らないですがきっとそれを反映してつくっているのだと思いますよね。
パルムドールも納得の傑作映画でした!
最初から最後まで面白かった~
☆5/5