ネタバレ映画感想 ジョーカー
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原題 JOKER
監督 トッド・フィリップス
予告の時点からヤバイ映画になりそうな雰囲気が漂っていたり、ホアキン・フェニックスがジョーカーをやるとくれば劇場に行くしかありません!!
ということで、遅ればせながら観賞してきました。
とても強烈なインパクトを残す、名作といえる作品だったのではないでしょうか…
観賞前から上がっていたハードルを簡単に越えられてしまいましたね。
まず主演のホアキンの演技がやばすぎた…
そんなこと言われなくても分かってるよって感じだとは思いますが、やはり只者ではないホアキン。
やせ細った体、変な走り方でありながら確かな怒り、悲しみを感じるあの目。
話が進むにつれてさらにさらにカッコよく感じました。
あの咳や、コメディアンを夢見る者として見せる純粋な顔、その顔がどんどん狂気の底に落ちていく過程を見事に表現していました。
アカデミー賞確実といって良い、勝負になる人間はいるのか?って感じですね!
登場時から演者としての色気がありすぎです…
次に劇中目に付いたのは、「アーサー」と「世界・他人」の撮り方です。
- 引き目の画では、アーサーだけにピントがあって街や周囲がピンぼけで映る
- 終盤の殺人告白シーンでは、司会との言い合い時絶妙に画面の隅でピンぼけもボケボケで映ったり。
分かりやすく彼がそもそも世の中からズレた所にいる事を表現していると思いました。
他にも「笑いどころが他人とズレている」とか丁寧に彼と他とのズレを描いていると思いました。
こういった人物描写は、作中で「世の中や家族から辛い仕打ちを受けた主人公が殺人等でその怒りを返す行為」を客観的に良くないことだと描くために重要でした。
言葉が下手で伝わりにくくて申し訳ないですね…
主人公が映画の初めからまともな人間ではないから作中あの行動を取ってしまったわけですね。
とにかく決して暴力等を容認する映画では無いことはちゃんと映画を観ていれば分かる作りになっていてとても見事だと思いました!
他にも主人公の言ったとうり、この話(彼の人生)はコメディなんだと思わせてくれるラストの右に左にドタバタ!って終わり方に笑ってしまうと共に、「コメディなんだからみんな真に受けんなよ!」って言われてるみたいで、とにかく見事でした。
お話自体は、コメディアンを目指すがうまく行かない主人公が、いろんな障害物を乗り越えて自分の生き方を見つけ、最終的には周囲を埋め尽くすほど人を集めてステージの上で喝采を受ける。
というサクセスストーリーって感じで普通に面白く観れて脚本がとてもうまいですよね。
彼の周囲を埋め尽くしたのは狂った人たちですし、ステージは壊れた車だったわけですが…(笑)
主人公のやった事は許してはいけないことですが、彼が他の人達にやり返していく行為を「やっちまえ~」って思って観ていました。
しかし、それこそが作中にあった「善悪というのは結局主観でしかないんだ」というジョーカーの発言そのものだとハッとしました…
女性にウザ絡みし、暴力を振るってきた若者。
自分をだました母親。
大勢の前で自分を笑い者にする司会者
とかいろいろ…その場面だけを見れば彼らは悪者になってしまう。
それ以外には良い行動をしたり、良い心を持っているはずなのに…
いまこのSNSとか画面に写る情報に目がいく時代だからこそ、ものは多面的に見なくてはならないというメッセージのように感じました!
音楽とか撮影とかどれも素晴らしくて文句のない映画でしたね~
ジョーカー姿になったアーサーが階段で踊るシーンビビるくらいかっこよかったですね!!
☆5/5